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August 2023 著作権 学術出版物の転載許諾のポイント (海外学術出版機関からの観点にて)(その二)

著作権 学術出版物の転載許諾のポイント

先回7月には専門誌や医学文献など学術出版の成り立ちと投稿論文の査読や管理等の

概要を記載しました。

今回は引続きこれらを出版する国際学術出版機関(国際学会・学術出版社)の観点から

どの様に出版物の購読或いは転載許諾などに対する市場区分をしているのか、お話しを

します。


①一つは教育学術市場(Insitutional Market或いはAcademic Marketと称されます)、

 一般的には大学や政府研究機関を対象としています。

②他の一つは企業市場(Corporate Market)と称されています。



製薬企業のマーケティングや企画或いは学術部門の方々から良く下記の様なご質問を

受けます。

①資材作成の際、信頼のおける外部ドクターより海外専門誌に記載された大量治験

データの推奨を受け、印刷体とWebに搭載したい。

既に当該ドクターの論文にはこのデータが転載され新たな知見が報告されている。

当社も全く同様に掲載予定だが、既に転載されている事実もあり許諾は不必要なのでは

・・・・。

②当社の研究開発部門より著名誌にある図表の転載が望ましいとの事。

製品情報概要にのせ配布したい。営業ベースでは無く必要な情報提供なので、許諾

申請の必要は無いと思うが・・・・。


等のご相談を受けます。

いづれも回答は権利の使用申請と許諾は必要となります。


①の場合、ドクターが既に転載し研究発表しているとの事ですが、今回は企業活動の

中で使用するいわゆる企業使用となります。

この為、学会や出版機関の手続きに基づき使用目的・期間等々を明確に申請し許諾

を得て使用する事となります。

②の場合、記載対象が宣伝物では無くとも企業活動の一環として最終的には企業利益

に寄与貢献するものと位置づけられ、上記①と同様にCorporate Marketでの使用となり

同様に権利使用申請を行う事となります。

手続きは細かく面倒ですが、重要な資材をきちんと世に送り出し沢山の人々を救う事は

極めて重要な事柄です。


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