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「無料で読める」ことと「自由に使える」ことは、同じとはいえません。
インターネット上で無料で読むことができる情報を見ると、私たちはつい「自由に使える」と考えてしまうことがあります。 しかし、無料でアクセスできることと、その内容を自由に再利用できることは、必ずしも同じではありません。 Open Accessという考え方が広がり始めた当時、学術情報の流通や利用の現場では、それまでの購読を前提とした仕組みとは大きく異なるものとして受け止められました。 現在ではOpen Accessは広く定着しましたが、学術情報のすべてが無料で提供されているわけではありません。今も、大学、研究機関、企業などが定期購読料を支払って専門誌や学会誌を購読したり、必要な文献を個別に購入したりする形は広く続いています。 ここで、学術情報の提供形態について少し整理しておきたいと思います。 専門誌、学会誌、国際会議録、学術書籍、国際規格、各種規則集など、広く公に刊行・公表されているものがあります。これらは、いわゆる「公知文献」と称されている文献です。 そしてまた、このような公知文献のすべてが、インターネット上で無料で全文を読むことができるわけではあり
yf-iwasaki50
9月25日読了時間: 3分


学術情報を「読む」ことと「使う」ことは、同じではない
学術情報は、研究、教育、臨床など、さまざまな場面で読まれています。しかし、論文を「読む」ことと、その論文や図表などを別の資料や場面で「使う」ことは、必ずしも同じではありません。 この違いを理解することは、Copyright、Licensing、Permissions、そしてOpen Accessを考える上での基本になります。 論文を読み、新しい知識を得る。研究成果を理解し、他の研究と比較する。そこから新たな問いを見いだし、次の研究や開発につなげる。 こうした「読む」という行為は、学術情報が本来持っている重要な役割の一つです。研究者にとっては次の研究の基盤となり、教育の場では知識を伝える材料となり、臨床の場では判断を支える情報の一つとなります。 前回、第14回では、学術情報は掲載されて終わるのではなく、そこから本来の利用が始まる、ということについて書きました。 しかし、ここで一つ区別して考えておかなければならないことがあります。 学術情報を「読む」ことと、その論文や図表などを「使う」ことは、必ずしも同じではありません。 論文を読み、その内容を理解し
yf-iwasaki50
9月20日読了時間: 3分


海外学術情報の権利処理で、申請そのものより前に大切だと感じてきたこと
私は30年以上にわたり、海外学術出版、電子ジャーナル、医学・医療情報の分野に携わってきました。 前回は、その中で海外の学術出版社や国際学会と、日本で学術情報を利用する方々との間に立つ仕事を続けてきた中で感じたことについて書きました。 今回は、その仕事の中でも、海外学術情報の権利処理について、長年の実務を通じて大切だと感じてきたことを書いてみたいと思います。 それは、申請を急ぐことより、まず海外での権利関係と利用条件を正確に確認することが大切だということです。 論文や図表、臨床例、ガイドライン等を企業で二次利用する場合、まず確認しなければならないのは、「現在の権利保持者は誰なのか」「そのタイトルにはどのような利用条件が適用されているのか」ということです。 一見すると、出版社へPermission Requestを提出すれば進むように思える案件でも、実際にはそう単純ではない場合があります。 以前、許諾を得ようとした出版物について調査を始めたところ、もともとの権利元であった出版社そのものが、すでに存在していない案件がありました。 そこで、過去の出版経緯
yf-iwasaki50
9月11日読了時間: 3分


海外学術情報の権利処理で、申請そのものより前に大切だと感じてきたこと
海外学術情報の権利処理では、申請を急ぐ前に、現在の権利保持者や利用条件を正確に確認することが重要です。30年以上の実務経験から、その確認と説明の大切さを考えます。
yf-iwasaki50
9月1日読了時間: 3分


海外著作権の権利使用許諾申請につきまして
医学・薬学関係を中心に焦点をあてた場合、大別して下記のような権利許諾申請代行の要請がよくあります。 1.疾患分野別 各種がん(各部位別) 血液、リンパ、骨がん、 精神・神経系 免疫疾患 関節病(膝関節、手指) 希少病 2.ソースデータ(情報源) JAMA. NEJM,Lancetなど医学専門誌と共に海外各種医学会の定期刊行物や国際会議録並びに米国NIHやFDA及び英国NHSなど政府行政機関の規定集などなど多岐に亘ります。国際会議録などは慣習上各国での開催となり、主催機関は基より現地開催国での取扱者の調査等結構地味な下調査の積み重ねとなりますが、長年の付き合いの各地学術出版機関からのアドバイスでコンタクトは容易に取ることが出来ます。 3.使用対象 図表使用等の使用は基本的に多くありますが、大量治験データ集など各種数表に関わるご依頼も多々あります。 4.用途(目的) 資材は、薬のしおり、製品情報概要、講演資材、Web搭載などによる自社製品の情報提供などとなります。 またデジタルメディアによる社内研修用、或いは社外公開用となります。 5.掲載媒体...
yf-iwasaki50
2024年11月6日読了時間: 1分


著作権:学術出版物の転載許諾のポイント (海外学術出版機関からの観点にて)(その二)
著作権 学術出版物の転載許諾のポイント 先回は専門誌や医学文献など学術出版の成り立ちと投稿論文の査読や管理等の 概要を記載しました。 今回は引続きこれらを出版する国際学術出版機関(国際学会・学術出版社)の観点から どの様に出版物の購読或いは転載許諾などに対する市場区分をしているのか、お話しを します。 ①一つは教育学術市場(Institutional Market或いはAcademic Marketと称されます)、 一般的には大学や政府研究機関を対象としています。 ②他の一つは企業市場(Corporate Market)と称されています。 製薬企業のマーケティングや企画或いは学術部門の方々から良く下記の様なご質問を 受けます。 ①資材作成の際、信頼のおける外部ドクターより海外専門誌に記載された大量治験 データの推奨を受け、印刷体とWebに搭載したい。 既に当該ドクターの論文にはこのデータが転載され新たな知見が報告されている。 当社も全く同様に掲載予定だが、既に転載されている事実もあり許諾は不必要なのでは ・・・・。 ②当社の研究開発部門より著名
yf-iwasaki50
2023年8月11日読了時間: 2分


著作権:学術出版物の転載許諾のポイント(海外学術出版機関からの観点にて)(その一)
著作権 学術出版物の転載許諾のポイント 新たな知見や先行技術を広く正確に伝えたい。深く探求してきた事象を発表したい或い は共有したい等々、パピルスの羊皮紙の時代を経て発達した出版文化の中で、学術文献 はその正確性と積み重ねた研究成果を広く共有する場でもあると言えます。 研究発表や治験データの開示は医療分野のみならず、社会や環境、技術等の発達により 更なる健康社会の創造や人を救う機序となり、社会のの進展進化に大いに寄与し続けま す。 これら論文や執筆を専門誌や文献に投稿し審査を経た上、掲載され世界に発信される事 となります。世界の学術出版機関(国際学会や学術出版社)では各国から日夜投稿され る論文等を日々専門分野や統合分野など多数の医師が査読し、場合によりリジェクトし ます。 米国のある学会誌の編集者は、まるでリジェクトする事が仕事の様ですと何とも複雑な 気持ちを表現していましたが、事実を正確に伝える事が一般誌と異なり学術出版機関の 大きな仕事であり価値でもあると考えます。 投稿論文の論理構成・実験の裏付け・結果の再現性など全て事実に基づき普遍性を
yf-iwasaki50
2023年6月14日読了時間: 2分
Mar. 2022 Open Access Journals
Open Access誌No.1
Open Access誌(以下O/A誌)①について
一般的にオープンアクセス誌は無料でアクセスできる専門誌として知られている。
そもそもオープンアクセス誌が出版された2000年代初頭は、ElsevierSpringer等々の学術出版社の雑誌の値上がりが極めて大きい時期であった。これらの値上げに対抗する形で、米国の一部の研究者と研究図書館の専門員らが自ら立ち上げたPeer Review誌のプラットホームがBioMed Centralのジャーナル群であった。背景には電子写植など要素技術の進化とインターネットの進展と普及があった。この事柄は一つのムーブメントとなり、これらに続くSTM系の学会が広範囲な購読者の拡大と研究内容の認知も含め、O/A誌の出版に転換していった。
これらは国際学術出版社の事業にも大きく影響を与え、長い歴史を持つ年間購読型(Subscription)の契約購読から無料提供のに変わって行くトリガーとなった。
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